本欄の題号は「望聞問切」。「ぼうぶんもんせつ」と読むこの言葉は、東洋で最古の医学書とされる『黄帝八十一難経』の「六十一難」に、その記述があります。『難経』は、曹操の典医として『三国志』にも登場する後漢末期の伝説の医師、華佗が編纂したものだとされています▼「望」は視診、「聞」は聴診、「問」は問診、「切」は外科的なそれではなく触診のことで、この4つの「医技」を駆使した診察の腕を磨いていくことが医者の道だと説きます▼題号とともに配置したイラストは「アスクレピオスの杖」をモチーフに本紙制作室がデザイン化しました。蛇が巻きついたこの杖はギリシア神話に登場する名医、アスクレピオスが持っていたとされるものです。西洋では医療・医術の象徴として古くから広く用いられている意匠で、今日では世界各国で救急車の車体に描かれるなど、救急医療のシンボルマークとして採用されています▼さて、本紙『院長のミカタ』は、「患者のために」を第一義とするドクターにとっての「味方」として、経営者でもある開業医の「見方」となる有意義な情報を発信していきます。そのなかで本欄「望聞問切」は、題号・イラストが示す通り、古今東西の「医」をテーマとして取り上げていきます▼創刊号は2014年3月28日発行です。ご期待ください。
> 忖度(2020年10月号)
> 目配り(2020年9月号)
> 不条理(2020年4月号)
> 命名(2020年3月号)
> 迷信(2019年9月号)
> 分別(2019年7月号)
> 依存症(2018年9月号)
> 再生(2015年3月号)
> 鉄人(2014年7月号)