【実車試験】(2018年4月号)


警察庁では、交通事故や違反をした高齢ドライバーを対象に「実車試験」制度の導入を検討している。これについて自動車教習所の指導員にアンケートを実施した結果、約4割が導入に反対したという。ただし、同じく約4割が導入に賛成しており、その差はほとんどないともいえる▼調査は昨年11〜12月に実施され、全国の高齢者講習指導員1997人から回答を得た。反対が41・6%で、賛成の39・3%をわずかながら上回った▼「実車試験だけで免許の取り消しを判断するのは難しい」「高齢者への負担が高まる」などが反対の理由。また、この試験制度について警察庁の調査研究分科会では、不合格だった場合には免許を取り消すなどの処分が検討されているため、「高齢者から生活の足を奪うことになりかねない」といった意見も根強い▼運転技能が低下していると感じる年齢は80歳以上が38・2%、75歳以上が26・9%。年齢が上がるほど技能低下を感じるのは当然のことだろう▼たしかに、高齢者による交通事故は後を絶たない。しかし、ドライバーの年齢に関係なく、危険運転による重大事故が増えているのも事実。これへの厳罰化も徹底するべきだ▼もちろん、高齢者が自分で運転しなくても生活できる環境づくりも忘れてはなるまい。