【カバからイヌへ】(2016年8月号)


カバからイヌへ――。うがい薬「イソジン」のマスコットキャラクターの話▼イソジンは米系製薬会社のムンディファーマが1950年代に開発。日本では明治グループが長く製造販売権を持っていたが、昨年、提携解消が決まり、今年3月末で「イソジン」ブランドでの販売を終了。4月以降はそれぞれが独自の登録商標を使ってうがい薬を販売している▼マスコットキャラクターの「カバくん」は1985年に登場。明治によるイソジンの〝顔〞として長年親しまれてきたが、4月からは「明治うがい薬」のパッケージなどに使用されている▼ム社のイソジンは4月以降、国内での委託先である塩野義グループが販売を継続しているが、その包装パッケージなどに描かれた新たなマスコットも「カバ風」だったことが発覚。互いがデザインの使用差し止めを求める法廷闘争に発展していた▼最終的にはム社側がデザインを8月末までに変更することで和解が成立。菌やウイルスから身体を守る「番犬」をイメージしてイヌが採用されたという▼一般には、うがい薬などとして認識されているイソジンだが、これはあくまでも商品名。ドクターには外科手術時の消毒にまで広範囲に使用される「ポビドンヨード」といったほうが馴染み深いかもしれない。