【センセイ】(2016年7月号)


舛添氏の醜聞。依頼を受けた弁護士が徹底的に「精査」したそうだが、結果はご存知の通り「不適切ではあるが、違法性はなかった」というもの。この弁護士はもともと検事だった、いわゆる〝ヤメ検〞のセンセイ。「巨悪を眠らせない」組織にいたひとではあるが、立場が変われば「悪」を測るモノサシも別のものに持ち替えるらしい。もっとも「違法性はないが、不適切だったので、辞任します」と、すぐに言わなかった舛添氏の前では、そのインチキぶりも霞んだが▼「厚顔無恥」という言葉の生きたサンプルと化した舛添氏は、もともとは国際政治学者のセンセイだったはず。いったいこれまで、なにを学び、なにを研究してきたというのだろうか▼現金授受問題で1月下旬に閣僚を辞任した前経済再生担当相。TPP交渉にもあたっていた前大臣は、国会議員を辞職したわけではないので、現役の代議士センセイだ▼閣僚辞任後は「睡眠障害」を理由にすべての国会審議を欠席。しかし、自身の問題が不起訴処分となり、国会も閉会して野党の追及をかわすと、その直後には復帰宣言した。なんともタイミングよく回復したものだが、政治活動の再開を認める診断を下したのは、主治医のセンセイだ▼弁護士、学者、代議士、医師。しっかりしてくれ、センセイ!