【冬至の七種】(2016年12月号)


冬至にカボチャを食べると、中風(脳卒中)や風邪を予防するなどと言われる。「冬至南瓜は四つ(午前10時)前に食べると良い」と伝わる地域もある。現代的に解釈すると、緑黄色野菜が不足する冬にはカロチンやビタミンを多く含むカボチャを摂り、身体に抵抗力をつけようということなのだろう▼カボチャを食べると金運がアップするなどとも言われる。西日本ではカボチャのことをナンキン(南京)と呼ぶ地域もあることから、「キン」が「金」に通じるということらしい。冬至に柚子湯に入ると「融通が利くようになる」といった語呂合わせと似た発想だ▼正月の七草粥と同じように、「冬至の七種」というのもある。この日を境に再び運が上昇するという「一陽来復」の考え方によるもので、七種の食材でつくる「運盛り」を食べる縁起担ぎの風習がある▼七種はナンキン、ニンジン、レンコン、ギンナン、キンカン、カンテン、ウンドン(うどん)を指す。運気アップに効果があるかどうかは別にしても、病気の予防にはつながりそうな食材が並ぶ▼このなかで、あまり役に立ちそうもない寒天だが、じつは水溶性食物繊維がコレステロールの排泄を促し、脳卒中の予防に効果があるとされている。まさに先人の知恵。「冬至の七種」で冬を乗り切りたい。