【少子・高齢】(2016年10月号)


百歳以上のひとの数は、9月15日(旧・敬老の日)時点で6万5692人。前年に比べ4124人増え、46年連続で過去最多を更新した。このうち女性が5万7525人(87・6%)を占め、割合で過去最高に。厚生労働省が調査・発表したもの▼今年度中に誕生日を迎え、「新・百歳」となるひとは3万1747人(女性2万7278人)で、こちらも46年連続の増加だ▼「新・百歳」のちょうど半分、今年で制定から50年を迎えた「敬老の日」。しかし自治体では、高齢者に贈る祝い金の制度を廃止する動きが広がっている。対象者が増え、費用が膨らんだことが主な原因だが、高齢者の側にも「お年寄り扱い」を嫌がる傾向がある。敬老のかたちは、現金を支給するばかりではなく、「健康寿命を延ばす」ための取り組みへと移行していくべきだろう▼日本産科婦人科学会によると、2014年に国内で行われた体外受精によって、過去最多の4万7322人が誕生した。約21人に1人が体外受精で生まれたことになる。晩婚化などで不妊に悩む夫婦が増えていることから、04年には助成制度もスタート。ここ数年は出生数が毎年5千人ペースで急増している▼医療技術の進展によって少子化を打開していくことこそが、有効な高齢社会化対策なのかもしれない。