【37年ぶり】(2014年12月号)


仙台市にキャンパスを置く私立の薬科大学、東北薬科大学に医学部の新設が認められた。医学部の新設は琉球大学以来じつに37年ぶりのことで、東北復興策の一環でもあるという。これにより同学は「東北医科薬科大学」と改称し、2016年春の開学に向けた手続きを進めていくことになる▼医学部を設置している大学は全国に80校ある。国立43校(防衛医科大学校を含む)、公立8校、私立29校で、東北医科薬科大学が加わることで私立は30校目となる。同学によると、開学時の学費は6年間で3400万円になる見込みだという▼私大医学部の学費の高さは、医師を志す学生とその親にとって深刻な問題だ。なかには6年間で5千万円もの学費が必要な大学もあるというから、新設校の学費が3400万円というのは、さして驚くほどの金額ではないのかもしれない▼都道府県別の1人当たりの医療費は「西高東低」になっていることが厚労省の調査で明らかになった。西日本は病床数に余裕があり、東日本は医師不足が深刻化しているためだという▼東北にはこれまで、医学部のある大学が6校しかなかった。ようやく7校目。地元で学び地元で開業する医師が増えれば、医療費の「西高東低」も解消されるはず。ただし、卒業と同時に背負う「奨学金」という借金を返済しながら、だが。