【イメージ】 (2019年5月号)


月刊紙である本紙は、毎月28日付けで発行される。この「5月号」も発行日は4月28日。つまり、「平成の最後に書く、令和元年5月号の本欄」ということになる▼元号にはそれぞれ時代のイメージがあるといえるだろう。明治といえば「維新」や「文明開化」といった激動のイメージ。大正には「デモクラシー」や「ロマン」といったハイカラな印象がある。昭和は前半が「戦争」「敗戦」、後半が「復興」「高度成長」といったイメージだろうか▼では、平成はどんな時代だったのか。バブル経済の崩壊に始まり、「失われた10年」が途中から20年と言い直されたほど長期にわたった景気の低迷。2度の大震災をはじめとする大災害が相次いだ時代というイメージも根強い。そして、原発事故を起こしてしまった時代であることも銘記しなければならない▼しかし「大震災」や「原発事故」といった大惨事のイメージだけでは、あまりにも切ない。明治、大正、昭和とは異なり、平成は「戦争のない時代」であったと誇らしく思いたい。そして令和となっても「戦争のない時代」を継続し、決して「戦前」の印象を与えてはならない▼ 10月には消費税が10%となる予定だが、令和に「増税の時代」といったイメージが定着しないよう、度重なる税率アップや相続税の増税などは、どうかご勘弁願いたいものだ。