飲酒運転での保険金

被害者へ渡るお金は対象に


 飲酒運転が原因で起きた事故は、原則として保険金を受け取れない「免責事由」に該当するものの、事故の被害者に渡るお金に限っては保険金が支払われる。自賠責保険や対人対物賠償保険の補償範囲のうち、被害者の損失分を補償するお金は保険金の対象となる。

 

 飲酒運転の車に同乗していてケガを負った人への慰謝料も、加害者が加入していた保険から補てんを受けることが可能だ。ただし、同乗者が飲酒運転であることを知っていたにもかかわらず車に乗っていたなら、保険金の減額もしくは不支給の対象となることがある。

 

 飲酒運転が原因の事故で保険金が下りるのはあくまでも「被害者救済」の意味合いがある場合に限られ、同乗者が飲酒運転を止めなかったのであれば必ずしも被害者であるとは言い切れないためだ。

 

 飲酒運転で死傷事故を起こしたひとに最長20年の懲役を科す危険運転致死傷罪が2001年に創設されたこともあってか、飲酒運転による事故は減少傾向にあり、06年の1万1627件から11年には5030件へと6割近く減った。ただ、直近の16年の事故件数は3757件で、同じ5年間での減少率は2割程度にとどまっている。(2018/07/20)