定期同額給与の改定

例外的に年度の途中で認められるケースも


 従業員への給与とは異なり、役員報酬は厳しい条件をクリアしないと会社の損金にできない。これは、報酬額を決める立場にある役員が自由に額を設定できると、会社の業績に合わせて利益調整ができてしまうからだ。

 

 役員報酬が損金として認められる方法はいくつかあるが、その代表的なものが定期同額給与だ。「一定の期間ごとに支給し、毎回の支給額が同額」という定期同額給与の条件を満たすことで、中小企業の経営者の多くが月々の報酬を損金化している。

 

 役員の報酬額を見直す場合には、原則として事業年度開始の日から3カ月を経過する日までに改定しなければならない。ただし、役員の職制上の地位の変更や、職務内容の重大な変更(臨時改定事由)、事業年度中に法人の経営状況が著しく悪化(業績悪化改定事由)した場合には、例外的に事業年度の途中でも改定が認められるケースがある。これらの理由もなく、例えば事業年度開始から半年後に役員給与の改定をすれば、改定前と改定後の差額は損金にできないので注意したい。(2019/08/05)