印紙の貼り忘れは過怠税3倍

紙の「文書」は必要?


 印紙税は、不動産の売買や賃貸借の契約書をはじめ、手形、領収書などの法で定められた取引文書について、その記載金額に応じた額を納めなければならない税金だ。

 

 例えば領収書であれば、記載金額が5万円未満なら非課税だが、5万円を超えると1通200円、500万円超えると2000円分の収入印紙を貼らなければならない。さらに、5000万円を超えるものであれば1通6万円にはねあがる。

 

 印紙税の納付漏れ(貼付漏れ)があれば、過怠税は納付しなかった税額の1・1倍と規定されている。しかし1・1倍というのは、税務調査を受ける前に自発的に気付いて納める場合のことで、税務署に指摘されて気が付いたケースだと、過怠税は当初の税額の3倍になる。

 

 しかも、印紙税の過怠税は損金算入できない。例えば10万円分の印紙の貼り忘れを税務調査で指摘されてしまうと、過怠税の30万円が損金不算入支出に化けてしまう。

 

 印紙税は取引に関する「文書」を作成すると納税義務が生じる。つまり、紙の「文書」を作成しなければ印紙の貼り忘れも過怠税も発生しないわけだ。電子取引やネット上の契約手法などを活用して、紙の「文書」は必要最低限のものだけを作成するようにしていきたい。(2019/08/07)