むらた・あきら

大正10(1921) 年生まれ。京都市東山区出身。昭和11(1936) 年、京都市立第一商業学校(現・京都市立西京高等学校)を肺結核のため中退し、家業の陶器店に専念。特殊陶器、精密特殊磁器に着目し、これを製品化することにより業績を飛躍的に伸ばした。昭和19(1944) 年には「競合しない独自製品」を求めて村田製作所を創業する。昭和25(1950)年、京都大学との産学連携により酸化チタンコンデンサの開発に成功。セラミック半導体や通信機用フィルタの開発にも乗り出し、テレビ・通信機向けの電子部品事業を拡大した。昭和27(1952)年、防衛庁が実施した米軍規格試験で唯一の認定部品メーカーとなり、自衛隊受注をほぼ独占し市場地位を確立。1960 年代には米国・GM社からの受注が増えるなど海外進出を本格化。昭和48(1973) 年には日本の電子部品メーカーとして初めて米国内に工場を開設した。平成3(1991)年、70歳となったことを機に会長へ退き、同7(1995)年には取締役も退任して名誉会長に就任した。日本電子材料工業会会長などの要職も歴任。平成10(1998) 年には米国のセラミックソサエティーから名誉会員称号を授与された。平成18(2006) 年、84 歳で死去。