離婚時の財産分与

不動産は課税の可能性も


 総務省統計局によると、2016年の日本の離婚件数は21万6798件(離婚率1・73%)で、ピークだった02年の28万9836件(同2・3%)から微減を続けている。それでも1967年の8万3478件(同0・84%)から比べれば、日本人の結婚観もずいぶんと変わってきたようだ。

 

 離婚率が高まれば、それだけ税金に関するもめごとが増加する。離婚にともなう財産分与で、慰謝料などとして受け取った家や敷地は、モノがモノだけにかかる税金もさぞ高いだろうと思いがちだが、慰謝料の支払については原則として贈与税の課税対象外とされている。

 

 ただし、財産分与する側にとっては、分与財産の形態によって取り扱いが異なるので注意が必要だ。現金による財産分与の場合、課税関係はないが、キャッシュ以外の分与、たとえば不動産になると譲渡所得が発生することがある。これは、売却してから分与するものと同様に考えられるためだ。その代わり、居住用財産であれば「3千万円控除」が適用できる。ただし、配偶者への譲渡は対象外なので、離婚成立後に財産分与するのがポイントとなる。(2018/05/22)