離婚で財産分与

贈与税・所得税が課税されることも


 離婚に伴う財産分与は、夫婦でともに築いてきた財産を分け合うものであり、税務上は基本的に贈与にならない。

 

 しかし、名目上は「財産分与」であっても、実質上は贈与しているのであれば、財産の受け渡しに贈与税が掛けられる。例えば、財産分与額が婚姻中の夫婦の協力で得た財産の額としてあまりに高額なときは、贈与税の課税対象となる。

 

 夫婦で蓄えた財産の2分の1を超えて受け取るのであれば、税務上で高額な分与と判断されないように、分与割合の根拠を残しておくようにしたい。また、離婚しても仲睦まじく共同生活を続けているようなときは、贈与税や相続税を免れる目的で離婚したと判断され、贈与税が掛けられる。

 

 なお、財産分与で土地や建物を配偶者だった人に渡すと、財産を分与した人は不動産売却による所得があったものとみなされ、所得税が課税される。(2016/11/11)