退職後に個人事業

青色申告の申請はいつまで?


 Aさんは3月末に会社を定年退職し、仕事上で身につけたノウハウを生かして6月ごろに個人事業を始めたいと考えている。これまで給与所得のほかに不動産所得があり、白色申告者として確定申告をしていたが、今後は税法上のいろいろな特典を受けるために青色申告を考えている。

 

 Aさんが青色申告をするには、退職前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出しなければならない。

 

 青色申告するための申請は、①すでに事業を行っている人やその年の1月15日までに事業を始めた人なら3月15日まで、②その年の1月16日以後事業を始めた人は業務開始から2カ月以内――に行う。

 

 ただし、個人事業を始めるのが6月であっても、これまで白色申告をしていたのであれば税務上はすでに事業をしていることになるので、今年から青色申告の承認を受けるには3月15日までに申請書を提出しなければならない。

 

 複式簿記で記帳して申告する青色申告者は、「青色申告特別控除」として所得から65万円を控除できる。また、白色申告と異なり、その年の赤字を翌年以降に繰り越し、所得から引くことも可能となる。そのほか、生計が同じ家族への給与を必要経費として計上することができる。(2017/03/26)