認知症高齢者の障害者控除

手帳がなくても対象に


 確定申告の際に見落としがちなものの一つに、障害者控除の認定がある。障害者控除は所得税法で規定されている税負担軽減特例の一つで、障害の程度によって27万円〜75万円が所得から控除されるというもの。

 

 控除対象となるかどうかは、原則的に「障害者手帳」などの所有の有無で判断される。しかし、手帳などを持っていなくても、65歳以上で、その障害の程度が「障害者手帳などを持っている知的障害者や身体障害者に準ずる」と市区町村長から認定されれば、控除対象となる。

 

 障害の程度にもよるが、認知症による要介護や要支援の人も該当する。厚生省によれば認知症の高齢者は2015年時点で全国に約517万人いるという。控除を受けるのを忘れる理由の一つには、認知症による「要介護や要支援の認定」と、税務上の「障害者控除の認定」がセットで行われないことがある。認知症によって要介護や要支援の認定をされても、障害者控除の認定がされたわけではないのだ。

 

 税務上の障害者控除の認定を受けるためには、「要介護や要支援認定者の障害者控除の認定」を申請して、障害者控除対象者認定書を入手する必要がある。(2018/03/14)