株の配当の申告方法

総合課税がお得なケースも


 株主や出資者が受け取る剰余金、収益の分配による収入は「配当所得」となる。上場株式へ投資している場合、約20%が源泉徴収され自分の口座には徴収済みの「手取り」が振り込まれる。したがって確定申告は不要だ。

 

 しかし配当所得は確定申告することもできる。あえて申告したほうがトクをするケースもあるので覚えておきたい。

 

 申告しなければ、配当所得は他の所得から切り離された上で約20%の税率がかけられる。一方、申告すると、配当所得を他の所得と合算した上で5%~45%の累進税率が適用される。そして合算した際にのみ、課税所得の総額や配当所得に応じて一定額を差し引ける「配当控除」を適用することができる。

 

 この配当控除や所得税の累進税率を加味した上で、改めて実際の税負担を考えてみると、課税所得が695万円以下であれば、所得税の税率が20%なので、この時点で申告しなかった場合の税率を下回る。実際には配当控除も使えるので実効税率は17%ほどとなるため、お得度はさらに増す。

 

 ただし、他の所得と合算すると前年から繰り越した損失の控除や、他の株取引で生まれた損失の通算などができなくなる点には注意したい。(2021/03/01)