通院のための交通費

医療費控除の申告を


 けがや病気の治療にかかった費用を所得から差し引ける「医療費控除」は、診療代や薬代以外に、通院のための交通費も対象となる。ただし、このとき差し引けるのはあくまで治療を受けるのに必要な支出だけで、風邪の治療のためにタクシーを使って行ったり、近所に病院があるのにわざわざ遠方の病院に遠出したりするケースでは控除対象とは認められない。

 

 だが、遠くの病院への交通費であっても、特定の病院でしか治療できないような疾病であれば交通費は控除対象になる。

 

 治療に直接必要だという証拠がないと医療費控除の対象として認めてもらえないのかというと、そこまで厳密な証明が求められているわけではない。特に交通費は領収書のないものも多いため、国税庁でも「家計簿などに記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください」と説明している。通院履歴なども保存しておいて交通費がかかった日時と通院日時を照らし合わせられるようにしておくといいだろう。

 

 家族や知人に付き添ってもらうことも多いかもしれないが、通院費が医療費控除の対象として認められるのは、あくまで本人のみが原則だ。例外として、患者の年齢や病状からみて「患者を一人で通院させることが危険」と認められれば、付添人の交通費も控除対象に含めることが認められている。(2018/04/25)