減災・防災の設備投資を税優遇

感染防止設備も対象に


 2021年度税制改正大綱には、中小企業を対象にした各種の設備投資減税についての拡充・延長措置が盛り込まれた。

 

 例えば中小法人が設備投資を行うと30%の特別償却などの優遇が受けられる「中小企業投資促進税制」では、対象となる業種に不動産業や物品賃貸業が追加された。

 

 また、特定経営力向上設備を対象とする「中小企業経営強化税制」では、M&Aに必要な設備が対象に追加されている。

 

 そして今回拡充された設備投資減税特例が「特定事業継続力強化設備等の特別償却制度」、通称「中小企業防災・減災投資促進税制」だ。同税制では、中小企業が事業継続力強化計画に基づいて取得した設備について20%の特別償却が受けられる。

 

 これまでは21年3月末までの計画認定が期限となっていたが、延長されて23年3月末までに認定を受ける設備が対象となった。同制度で優遇が受けられる設備は、その通称が示すとおり、防災や減災に役立つ減価償却資産だ。

 

 機械および装置であれば自家発電設備、排水ポンプ、制震・免震装置、浄水装置、揚水ポンプなどが挙げられる(100万円以上が要件)。建物附属設備としては電力供給自動制御システム、貯水タンク、防水シャッターなどが対象(60万円以上が条件)となっている。

 

 さらに、新型コロナウイルスの感染予防に役立つサーモグラフィーも対象に追加された。一方で、これまで対象に含まれていた火災報知器、スプリンクラー、消火設備、排煙設備、防火シャッターなどは除外された。また補助金などを原資に取得した設備も優遇の対象とはならない点を覚えておきたい。(2021/02/03)