建築途中で発注者が死亡

契約解除できるか?


 人生で最大の支出は税金と言われるが、2番目はおそらく住宅だろう。数千万円もの住宅購入は人生の一大事ともいえる。

 

 夢のマイホームの購入に踏み切ったものの、手付金や代金の一部を支払った後、引渡し前までに契約当事者が死亡するということもあり得る話だ。

 

 相続人がそのまま契約を引き継ぐというのなら問題はないのだが、住宅という性質上、契約解除となることが多い。工事の開始前ならば、売り主に納得してもらって手付金を返してもらえる可能性もゼロではないが、問題は金融機関にローンを申し込んでいるときだ。ローンの承認前ならともかく、審査が通ってからの銀行とのやりとりはいろいろと面倒な手続きが多いことを覚悟したい。

 

 さらに面倒なのは、ハウスメーカーや工務店に工事を発注してしまっている場合だ。実際に工事が始まっていなくても、部材の購入など、「家づくり」の作業には着手しているものと考えたほうがいい。こうなれば、相続人が残金を支払って「つつがなく」完成させて引き渡しを受けるか、もしくは頭金等の手付は全て放棄することになる。(2018/04/17)