大学院で社員研修

課税仕入れの範囲は?


 社員研修の一環として、大学や研究機関、ビジネス学校などに社員を派遣しているとき、派遣先(大学など)に支払う授業料や受講料は、法人税を計算する上では基本的に教育訓練費として損金算入できる。ただし、消費税の課税仕入となるかどうかは状況によって判断が必要だ。

 

 まず、大学(院)など、学校教育法第1条に規定する学校で単位を取得するような正規の授業の聴講については、消費税法上の「教育として行う役務の提供」とされ、授業料や聴講料は非課税とされる。そのため会社が支払う授業料は課税仕入にならない。ただし、公開講座など正規の科目でないものには消費税がかかるため、課税仕入となる。

 

 また、大学などに設置される研究機関での研修でも、その研修が非課税の条件に該当しなければ課税の対象となり、授業料は課税仕入だ。外国語学校やビジネススクールでの研修については、修学年限が1年以上で、その1年間の授業時間数が680時間以上であれば、消費税は非課税となっているため課税仕入にはならない。(2018/08/13)