執行役員の給与は損金算入できるのか?

退職金も要注意


 執行役員とは一般的に、取締役会によって選任され、業務を執行する人をいう。執行役員は、業務執行を担うという点では取締役と同じだが、法的な定めのない任意の制度であることから、その身分は会社によっても異なり、使用人もいれば実質的な役員とされる人もいて企業によって様々だ。

 

 会社から委任されているという側面もあるが、社会一般では雇用されているひとと認識されるケースが多い。税務上も執行役員は取締役などを兼任していない限り、使用人として取り扱われるため、執行役員に対する給与・賞与は損金に算入することが認められる。

 

 ただし、その執行役員が、法人内での地位やその職務内容などを鑑みて、もっぱら会社の経営に従事していると認められれば、税法上の役員に該当することになる。執行役員への就任に伴い退職金が支払われることがあるが、執行役員は使用人として雇用されている身分もあるため、受け取った退職金が一時的な給与に該当することも考えられる。

 

 これについて国税庁は通達で、①執行役員との契約は委任契約またはこれに準ずるもの、②使用人としての再雇用が保障されていないこと、③取締役に準じた報酬等であること、④使用者に生じた損害について賠償責任を負う――といった縛りをかけている。(2018/08/16)