妻の名義で開業申請

税務申告は実質経営者の責任


 営業の許可申請を妻の名義で行い、実質の経営者は夫であるということがある。当然ながらその反対もあるわけだが、このケースでは、実質の経営者である夫が税金を申告することになっている。

 

 まず所得税だが、資産または事業から生じる収益が法律上帰属するとみられる者が「単なる名義人」であれば、実際の経営者に申告義務が生じる。これは消費税でも同様で、実質判定の規定が置かれているため、やはり夫が申告義務者として取り扱われることになる。

 

 なお、消費税については開業した年とその翌年は、原則として消費税の免税事業者になるが、お店などの設備投資があって消費税の還付を受けようとするのであれば、課税事業者として認められるために「課税事業者選択届出書」の提出を忘れないようにしなくてはならない。

 

 この場合も、事実上の経営者である夫が届け出る必要がある。なお、課税事業者選択届出書は開業年についてはその年中に提出すればいいが、最低2年間は課税事業者となるため、選択する際は十分な検討が必要だ。(2018/08/17)