住宅関係の税優遇

転勤するとどうなるの?


 婚姻期間が20年を超える夫婦の場合、配偶者へマイホームをプレゼントすると贈与税から2千万円が控除される特例を使うことができる。この特例を利用するためには、贈与のあった年の翌年3月15日までに入居するか引き続き住んでいて、その後も住み続ける場合であることが求められる。

 

 しかし例外として、贈与後に突然の転勤によって引っ越しを余儀なくされ、マイホームを売ることになってしまった場合にも、特例の利用が可能だ。

 

 住宅関係の税優遇では、継続的な居住を条件として設けている特例が多い。例えば住宅購入から10年にわたり税額控除を受けられる住宅ローン減税でも、「その年の12月31日まで住み続けていること」が適用を受けるための条件となっている。

 

 途中で転勤などがあった場合、「家族全員で転居」か「単身赴任」かで、可否は変わってくる。家族全員で引っ越すと転勤期間中は減税の適用を受けられない。居住要件を満たしていないとみなされるためだ。転勤が終わって家に戻れば再び税優遇を受けられる。一方、単身赴任であれば、残りの家族が住み続けるなら赴任期間中も変わらず住宅ローン減税を受けられる。

 

 海外転勤でも、2016年4月以降は、単身赴任であれば転勤期間中に減税を受けられるようになっている。ただし、こちらの改正については「16年4月以降に取得した住宅」が対象となっている点に気を付けたい。また海外赴任の前に所定の手続きをしておかなければならないことも覚えておこう。(2019/04/12)