相続した美術品や骨董品

鑑定費用に要注意


 被相続人が残した美術品や骨とう品は、相続税の計算上、遺産に加える必要がある。その際の評価は、財産評価通達(国税庁が定めた評価法)で「精通者意見価格等を参酌して評価する」(鑑定)となっている。だが、この鑑定が曲者だ。

 

 鑑定には、美術品1点につき1万数千円から2万円程度かかる。そんな絵画が何点もあったら大変だ。偽物ばかりで、合計額が時価10数万円ということも珍しくない。刀剣類を鑑定したら、費用は10万円もかかったのに、その結果は5万円だったというケースもある。ちなみに、鑑定費用は相続税の計算上、控除できないので、そのまま持ち出しとなる。

 

 なお、美術品・骨とう品であっても数万円程度のものであれば、相続税の計算上「家財」として取り扱うことになる。その際、相続税の申告書には、他の家財(電化製品・タンスなど)と合わせた「家財一式」で10万〜50万円程度を相続税の計算に入れる。(2017/09/01)