【余寒見舞い】 (2021年2月号)


今年の節分は2月2日。この日が節分になるのは明治30年以来124年ぶりのこと。節分は立春の前日だから、今年の立春は2月3日だ▼「余寒見舞い」は立春から2月いっぱいをメドに出す挨拶状。本来は、寒さが厳しいこの時期に相手の無事を祈って送る見舞状だが、喪中で新年の挨拶ができなかった場合などは、年賀状の返礼としても使える。余寒見舞いで近況を報告してもいいだろう▼感染拡大で外出もままならない状況だからこそ、相手の健康を気遣うこうした見舞状の習慣も復活させたい。自粛、自粛で訪問を控え、相手との接触の機会が減ると、人間関係が疎遠になってしまいがちだ。対面での会話ができないのならば、せめてハガキだけでも送っておきたい▼メールやSNS、そしてリモートのカメラを通じてやりとりするのもいいが、アナログな「手紙」という通信手段も見直したい▼政府は中小企業に急速なデジタル化を促していく方針だ。税制改正大綱にもその姿勢が色濃く表れている。「紙」の申告だと控除額が減ってしまうなどという制度は、申告をデジタル化しない、できない事業者への実質的なペナルティーにほかならない▼コロナ禍での確定申告がスタートする。ひとの手で届けられる本紙から、寒さ厳しい折に会場へと足を運ぶご愛読者様へご挨拶。「余寒お見舞い申し上げます」。