ひぐち・ひろたろう

大正15(1926)年生まれ。京都府出身。京都大学経済学部を卒業後、住友銀行(当時)に入行。昭和61(1986)年、副頭取を最後にアサヒビールへ転出。当時、経営不振に陥っていたアサヒの社長に就任し再建に着手。社内の反対を押し切り、半年以上売れ残っていた古いビールを店頭からすべて回収・廃棄したほか、昭和62(1987)年には「スーパードライ」を発売して大ヒットさせるなど、短期間のうちに思い切った経営戦略を次々に実施。アサヒの経営再興を成し遂げた〝中興の祖〟とされる。平成4(1992)年には会長に退いた。社内向けに策定した「仕事十訓」「管理職十訓」では、「生きた金を使え。死に金を使うな」「先例がない、だからやるのが管理職ではないか」などと説く。平成24(2012)年9月、86歳で死去。