岡本印房

極上象牙印鑑(天丸・サヤ付)

189,000(税込)

会社実印(代表印・役職印)、直径18mm・長さ約60mm、「目無し」天然象牙

 

高級素材で〝開運印鑑〟をつくり商売繁盛!

岡本印房の「極上象牙印鑑(天丸・サヤ付)」(岡本印房HPより)
岡本印房の「極上象牙印鑑(天丸・サヤ付)」(岡本印房HPより)

 「3本セットで9800円」「ケース付きで5533円」――。ネットショップのサイトに踊るこれらのキャッチコピーは、いずれも印鑑の販売文句。代々続く老舗企業の社長さんは、先代社長から受け継いだ印鑑を使用しているケースがほとんどだろうが、法人設立時に会社の実印(代表印)、角印、銀行印を3本セットで調達・購入した起業家も多いことだろう。

 

 柘植(つげ)の木から切り出した印材は本柘(ほんつげ)というが、〝激安〞価格でネット販売されている印鑑には柘(あかね)と呼ばれる材質のものが多い。柘植の木は成長が遅いため、その代用木材として「あかね」が使われているわけだ。しかし、印鑑の素材としては決して粗悪なものではなく、日々の実務に使用するハンコとしてはこれで十分かもしれない。

 

 高級印材の代表的なものといえば、やはり象牙だろう。写真上は岡本印房(東京・新宿区)の「極上象牙印鑑(天丸・サヤ付)」。直径18㎜、長さ約60㎜の会社実印(代表印・役職印)で、使用している象牙は「目無し」と呼ばれる天然素材の最高級品。価格は18万9千円(税込)。店主で一級印章彫刻師でもある岡本尚山氏は、第9回(平成4年度)全国印章技術大競技会で労働大臣賞(当時)を獲得した現代の名匠。24歳での受賞はいまも破られていない史上最年少記録だ。

 

耐用年数5年で減価償却。中小は一括損金処理も可能

重さ約100グラムの純金製印鑑(GINZA TANAKAのサイトより)
重さ約100グラムの純金製印鑑(GINZA TANAKAのサイトより)

 「器具及び備品」としての事業用の印鑑の法定耐用年数は5年。ただし中小企業の場合、取得価額が30万円未満ならば「少額減価償却資産の特例」で消耗品費として経費化することが可能だ。

 

象牙は、印鑑の高級素材として一般的に認知されているが、一文字でも彫刻されたものは印材としての価値が下がるため、償却後に高値で転売できる印材ではない。そのほかの高級印材としては薩摩柘植、白檀、水牛角(黒・白)、琥珀などがあり、いずれもほぼ同じ大きさならば、象牙材のものよりもリーズナブルだといえる。希少素材としてはマンモスの牙やカバの歯、シャコ貝などもあるが、これらも「不必要に高価」ではない限り、取得価額によって即時一括で損金計上するか、減価償却資産として処理することができる。

 

金属製の印材としてはチタン合金のものが実用的で、価格も手ごろなことから人気があるという。当然、貴金属を素材とした印鑑も販売されている。写真中は田中貴金属グループの「GINZATANAKA」が販売する「純金製印鑑」。直径約12㎜、長さ約47㎜で、純金の重量は約100グラム。金相場の変動により価格も上下するが、参考価格は80万1900円(税込)となっている。金の売買価格を1グラム当たり4800円とすると、金地金に換算した価値は48万円程度となる。

 

貴金属製は会社の財産に 子や孫への暦年贈与にも

暦年贈与にも使える純金製「遊印」(同)
暦年贈与にも使える純金製「遊印」(同)

 ほかに、ほぼ同じ大きさ、重量の「純プラチナ製印鑑」(参考価格61万2160円)もあるが、こうした貴金属で会社の印鑑をつくったとしても、「時の経過により価値が減少しない」ものであるため、減価償却資産とはならない。

 

 ただし、経費化できないとしても会社の財産・備品目録に計上しておけば、純粋な資産のひとつとして次代の後継者に引き継がせることはできる。

 

 また同店では、子どもや孫の誕生を祝ったり、成長を記録したりする商品として、純金製の印鑑「遊印」(写真下=約10グラム、10万2900円)も販売している。こちらは誕生日ごとに買い与えることで、暦年贈与の110万円枠の一部を使える商品だといえる。

(2017/04/04)