時を刻む逸品も減価償却

機械式置時計

4,104,000(税込)

 

【セイコークロック 機械式置時計「AZ301F」】

■本体:ステンレス・黄銅金メッキ仕上げ

■文字サークル:ステンレス金メッキ仕上げ

■台:木枠マホガニー玉杢つき板貼り・研磨光沢仕上げ

■ケース:ガラス・アルミ枠アルマイト仕上げ

サイズ/重量:385x482x275mm/14.5kg(ケース含む)

■電池:単1(アルカリ)×4(電池寿命約2年間)

*本製品は受注生産を基本としています。

 

腕時計にも、置時計にも良品をセレクト

機械式置時計「AZ301F」(セイコークロックのサイトより)
機械式置時計「AZ301F」(セイコークロックのサイトより)

 日本で唯一の「税の専門新聞社」に勤務していると、商売柄どうしても、大手のコンサルティング会社や資産税務に専門特化した会計事務所など、いわゆるコンサル系〝ラージ・ファーム〞のオフィスに出向く機会が多くなる。

 

 感心するのは、そのほとんどが「一方通行」になっている点。相談に訪れた顧客は、入ってきたドアに戻ることなく、そのまま絨毯敷の長い通路を〝一方向〞へ歩いて行くと、出口専用のドアに誘導される仕組み。エレベーターホールでも、他の相談者と会うことがないように配慮されているケースがほとんどだ。

 

 こうしたラージ・ファームにやってくる相談者は、当然ながらほぼすべてが資産家だ。資産運用、財産処分、事業承継、相続税対策などなど、富裕層の悩みの種であるお金のアレコレを相談にきているのだから、できるだけ他人と顔を合わせたくないのは当然だ。父親が余命宣告されるほどの状態のときに、その後継者である自分が「こんなところ」へ相談にきていることなど、誰にも知られたくはないだろう。

 

「AZ739S」(同)
「AZ739S」(同)

 こうした場所では、顧客の存在それ自体が、いわば〝個人情報の塊〞であるといえる。納税証明書や確定申告書、決算報告書、不動産の登記資料はもちろん、遺産分割協議に臨む際の「心構え」や「作戦」を記したメモなども、相談者自身が持ち込んでいることだろう。

 

 また、ここでは遺言書のベースとなる重要な文書なども作成される。そこには、現在の家族の誰もが知りえていない海外資産や不動産、有価証券、さらには隠し子の存在まで記載されているかもしれない。顧客の情報が漏えいする危険性を一切排除して、守秘義務を徹底する基本的な姿勢が、こうしたラージ・ファームの館内の〝一方通行〞によくあらわれているといえる。

 

 相談者が通される応接会議室は、完全な個室であることがほとんどだ。もちろん相談内容によっては、防音まで施した個室も準備している。室内は落ち着いた調度品でコーディネートされており、余分な装飾は一切施されていない。室内にはただ、重厚なテーブルと椅子、それにシンプルな置時計が据えられていて、その秒針のかすかな音が相談者の緊張を和らげる。当然ながら、安っぽい「小鳥のさえずり」などの環境音やBGMは流れていない。

 

「AZ747K」(同)
「AZ747K」(同)

 ここで〝小道具〞あるいは〝舞台装置〞のひとつとして何気なく置かれている時計だが、注意してみると、いずれも名品であることが多い。しかも、決して年代物のアンティークや有名作家が手掛けた美術的な作品などではなく、大手メーカーが現在も販売している置時計であることがほとんどだ。

 

 こうした個室が20室、30室とあるラージ・ファームも珍しくはない。置時計に限らず、時計の耐用年数は10年。高価な品物を30点購入しても、10年で減価償却し経費化できるわけだ。

 

 写真上はセイコークロックの機械式置時計「AZ301F」。価格は410万4000円(税込)。スタンダードタイプの「AZ739S」(写真中)は21万6000円(同)、「AZ747K」(写真下)は27万円(同)で、いずれも30万円未満の価格設定となっており、少額減価償却資産の特例が適用される事業者ならば、全額を一括で損金処理することが可能だ。腕時計だけではなく、社長室・応接室にも逸品を置いてみてはいかがだろうか。

(2017/07/18)