名窯の新作を毎年コレクション

ティーカップ&ソーサー

259,200円(税込)

 

WEDGWOOD「アストバリー ブラック」

素材:ファインボーンチャイナ

用量:200ml

生産国: イギリス(ウォーターフォード・ウェッジウッド社製)

 

陶磁器製・ガラス製の食器は耐用年数2年

「アストバリー ブラック」(WEDGWOOD サイトより)
「アストバリー ブラック」(WEDGWOOD サイトより)

 「先祖伝来の日本刀」や「借金のカタにとった掛け軸」、「田んぼから掘り出された謎の壺」などなど、〝お宝〞を入手した経緯にはさまざまなエピソードがあって面白い。だからこそ、そうした〝お宝〞の本当の価値を専門家が鑑定するテレビの長寿番組も、根強い人気を保っているのだろう。番組で紹介される〝お宝〞にはニセモノやガラクタも多いが、いざ本物と鑑定されれば非減価償却資産の「書画・骨董」となり、資産計上する必要がある。

 

 書画・骨董とは、①古美術品、古文書、出土品、遺物などのように歴史的価値または希少価値を有し代替性がないもの、②美術関係の年鑑などに登載されている作者の制作にかかる書画、彫刻、工芸品など―と規定されている。つまり、有名芸術家の作品などは「時間の経過によって価値が減少しない」とされるため、減価償却資産には該当しない。

 

減価償却後も長く持ち続ければ〝お宝〟に!?

「ブルーローズ」ティーセット23ピース(大倉陶園HPより)
「ブルーローズ」ティーセット23ピース(大倉陶園HPより)

 こうした本物のお宝を会社で購入しても、資産として計上する必要があるので「減価償却を使った節税」のアイテムにはなりにくい。個人で購入する場合でも、取得費として支払った分の現金が減る一方で、資産価値のある物品財産が増えることになる。このお宝が遺産として残った場合、相続税の課税評価額が取得金額よりも低ければ、結果として相続税の節税につながるが、それとは逆に価値が上がっていたら当然、相続税額も増えることになる。

 

 高級料理店などでは、有名作家の手になる陶磁器を食器として使うことがある。「実用目的で書画・骨董を購入し、実際に皿として使うなら、使用とともにいたんでいくもので、高額でも書画・骨董ではなく、食器として減価償却できる」(国税庁)とされているので、このケースでは減価償却することも可能だ。

 

 国税庁が定める器具・備品の耐用年数表によると、有名芸術家の作品であっても、実際に事業の用に供しているものならば「食事・厨房用品」の「陶磁器製・ガラス製のもの」の細目に分類されるため、法定耐用年数は2年だ。新品、新作であっても、取得時から短期間での損金処理が可能だといえるだろう。

 

6客セットで30万円未満の商品も

「四季彩舞曲」ティーコーヒー碗皿揃(ノリタケHPより)
「四季彩舞曲」ティーコーヒー碗皿揃(ノリタケHPより)

 飲食店以外の業態の企業でも、食器を購入することで節税になる場合がある。従業員の福利厚生用の消耗品として、社員食堂などで使う食器を高額なものにすることは考えにくいが、来客応接用のティーカップなどは有名ブランドのモノを揃えてもいいかもしれない。

 

 写真上は英国王室御用達ブランドとして知られる「WEDGWOOD」(ウォーターフォード・ウェッジウッド社製)の「アストバリー ブラック」。価格は25万9200円(税込)なので、少額減価償却資産の特例が使える会社なら、これ1客をお客様用に購入すれば取得時に全額損金処理できる。また、ロイヤルコペンハーゲンやセーヴル、マイセン、ヘレンドなどといった欧州の名窯には数々の素晴らしい新作アイテムが充実しており、価格も1客1万円程度の手ごろなものから20万円超の高級品まで揃っている。

 

 日本製にも名品は数多い。写真中は大倉陶園の代名詞ともいえる「ブルーローズ」のティーセット(23ピース)。注文後に制作する予約生産品で価格は97万2千円(同)。写真下は「ノリタケ」のブランド名で知られるノリタケカンパニーリミテドが創業百周年を記念してリリースした「四季彩舞曲」シリーズの「ティーコーヒー碗皿揃(絵変り6客揃)」。価格は27万円(同)。こうしたセット商品でも、耐用年数の2年または取得時に経費化できるので、毎年コレクションを増やしていってもいいだろう。

(2017/05/30)