リース契約、減価償却で節税

コインパーキング

参考費用 4,800,000

 

【上記「参考費用」の導入事例】

■設備内容:精算機1台、ロックプレート14台、LED「満・空」突出しサイン1台、利用案内サイン1台。設備工事費一式3,500,000円

■施設内容:アスファルト舗装・フェンス設置。設置工事費一式1,300,000円

 

不整形地や狭小地でも開設可能

導入事例(ノーテックHPより)
導入事例(ノーテックHPより)

 不動産投資の代表格といえばアパート・マンション経営だといえるだろう。遊休地を有効に活用する手段として賃貸アパートを建築したり、区分所有マンションの1室や住まなくなった戸建てを賃貸に出したりして家賃収入を得る。建物の減価償却や借入金利などを経費に計上し、個人の所得税や法人税を節税することも可能だ。

 

 土地は更地のまま所有しているよりも、建物が建っていたほうが固定資産税も安くなる。貸し出して第三者が住んでいれば相続税評価額も圧縮できる。アパ・マン経営が節税にうってつけの手段であることは間違いない。

 

 しかし、入居者の募集がなかなかうまくいかなかったり、家賃を滞納されたりするケースもゼロではない。建物を貸すのだから修繕コストも念頭に置かなければならない。そもそも、アパートやマンションを建てるにはそれなりの建築費用を投じる必要がある。節税にはなっても、家賃収入とローン支払額のキャッシュフローがアンバランスで、持ち出しの収支になってしまっては本末転倒だ。

 

初期費用を抑えた不動産活用術

ロックプレート(同)
ロックプレート(同)

 アパ・マン経営と比較した場合、初期投資のコストを低く抑えることができる不動産活用術として定着しているのがコインパーキング事業だ。建物を設置する必要がないので建築確認申請は不要。賃貸物件を建てるには地積が小さすぎる狭小地や、三角地、台形地などの不整形地でも開設できるため、クルマ1台分しかないような中途半端に余ってしまった土地の活用方法としては最適だ。建物を解体・撤去するほどのコストもかからないので、万が一、事業がうまくいかなかったときの撤退もアパ・マンに比べて容易だといえるだろう。

 

 コインパーキングの運営形態は大きく分けて「土地賃貸方式」「業務委託方式」「自主運営方式」の3つ。土地賃貸方式では、オーナーが運営会社に対して土地を貸し出す。この賃料がオーナーの収益となるので〝地主業〞とあまり変わらない。設備は運営会社の負担で準備する。

 

 「業務委託方式」は地主が設備を購入・設置し、集金・管理・運営などの実務は業者へ委託する。運営会社に手数料を支払えば、残りの収入はすべてオーナーのものとなる。

 

 「自主運営方式」は、文字通りオーナー自身が設備導入から運営までを手掛けるスタイル。ある程度まとまった初期投資が必要になるが、土地賃貸方式の地代収入より高い収益を上げることも可能で、業務委託方式のように運営会社へ手数料を支払う必要もない。リスクが伴うほど大きなリターンが期待できるというのは、どの事業でも同じことだ。

 

中途半端に余った土地を有効に

利用案内サイン(同)
利用案内サイン(同)

 写真は駐車場システム販売のノーステック(福井・福井市)が、導入事例として紹介しているコインパーキング。精算機1台、ロックプレート14台、LED「満・空」突出しサイン1台、利用案内サイン1台の設置工事費が一式で350万円。アスファルト・フェンス一式の設置費用が130万円。つまり、場内未舗装・防護柵未設置の土地の場合でも合計480万円の初期投資でスタートできるとしている。また、この設備一式を6年リースとした場合、毎月の支払額は8万9280円になるという。

 

 運営会社に業務を委託するケースでは、このほかに集金費用や保守・メンテナンス費用、電気代などがオーナーの負担となる。アスファルト舗装の耐用年数は「構築物」の10年。ロックプレートや精算機は「無人駐車管理装置」で5年、看板サインは3年でそれぞれ資産計上し減価償却することになる。

(2017/06/20)