鑑賞熱帯魚
アジアアロワナ
過背金龍(かせきんりゅう)
189,000円
ワンブーン養魚場(インドネシア)産、体長約25㎝
ゾウ、ライオンは8年。イヌもネコも8年。インコや文鳥は4年。コイや金魚は2年――。
これらはすべて、「生きもの」の法定耐用年数。つまり、生きものは税務上、減価償却の対象資産となるわけだ。耐用年数を定めた省令の表をみると、「器具及び備品」の項目の10番目に「生物」と記載されており、「魚類」が2年、「鳥類」が4年、そしてゾウやライオンなどの「その他のもの」が8年、さらに植物は「貸付業用のもの」であれば2年、「その他のもの」は15年と決められている。
減価償却資産の耐用年数はその資産の効果が及ぶ期間をもとに算出されているが、井の頭自然文化園(東京・武蔵野市)で69歳まで飼育されたアジアゾウの「はな子」など、法定耐用年数をはるかに超えて動物園の事業に大きく貢献した長寿の人気者も多い。
生きものを「事業の用に供している」のは、動物園や水族館だけではない。ローカル線の〝駅長猫〞として人気者になったネコも、ペンションの〝看板犬〞としてオーナーさんのブログで話題となったイヌも、立派に事業貢献している会社の資産だ。社内で飼う「癒しネコ」や「オフィス犬」、そして工場や倉庫、研究施設などを警備する番犬のドーベルマンも「事業の用に供している」のだから、これを飼育するためのエサ代や予防注射代などは当然、必要経費となる。観賞魚用の水槽やポンプといった備品の購入費とその維持費も同様だ。
イヌやネコの減価償却期間は8年だが、魚類ならば2年で経費化できる。短期間で減価償却できれば、それだけ節税効果も大きい。日本庭園の池で悠然と泳ぐ錦鯉は、旅館や結婚式場の事業に欠かせないものだ。飲食店内やホテルのロビーに設置された大型の水槽で観賞魚を飼育していれば、やはり事業用の減価償却資産となる。一般企業の場合、ビルのエントランスやエレベーターホール、応接室や社員食堂、休憩室、ミーティングルームなどで、社長さん自身が気に入った色や姿の熱帯魚を飼育してみるのもいいだろう。
魚類の耐用年数は2年だが、資本金1億円以下・従業員数1千人以下の中小企業が購入する場合には、取得価額が30万円未満ならば即時一括で損金処理できる。錦鯉の場合、一般的なものは数千円から数万円で取引されているが、品評会で入選した鯉には数百万円、優勝した鯉ならば2千万円の値が付くこともあるという。また、淡水熱帯魚のアロワナも、アクアリウム用観賞魚としての飼育方法が確立していることから人気が高く、プラチナアロワナと呼ばれる非常に珍しいものになると4千万円で取引されることもあるという。
写真上は熱帯魚専門店「まっかちん」(東京・中野区)で販売しているアジアアロワナ。成長すると背部まで金色になることから「過背金龍(カセキンリュウ)」と呼ばれる品種で、中国や台湾などでは金運アップをもたらす縁起の良い魚として人気が高い。この個体はインドネシアのワンブーン養魚場産で体長は約25㎝(価格18万9千円)。
このほかにも、アジアアロワナの入門的な品種といわれる「グリーンアロワナ」(写真中=価格1万9800円)や、南米原産でサイズを選べば他種との混泳も可能なブルーブラックアロワナの「ワイルド」(写真下=価格同)など、2万円前後で購入できるリーズナブルな品種も豊富に在庫している。なお、消耗品費として一括で損金処理せず、工具器具備品などとして資産計上していた生きものが飼育中に死んでしまった場合には、「固定資産除去損」で処理する。
(2017/03/27)