退職金を自社株で支給

上積み分は要注意


 退職金を現金ではなく株式で受け取った場合、その株式の評価額がそのまま「退職所得」となり、現金での受け取りと同様に税務申告することになる。

 

 一方、退職時に受け取るお金を上積みするために、社員が持株を売却するケースがある。この場合、持ち株売却は「自己の権利の行使」に過ぎず、税務上は退職所得にならない。

 

 また、会社が評価額以上で持株を買い取って、その差額分を退職金とするような支給方法については、評価額以上の支払い分が会社の損失を増やす「利益圧縮」と見なされるおそれもあるため注意したい。

 

 なお、保険会社の外交員が退職に際し、「退職手当」などの名目で一時金を受けたとき、その外交員の身分関係に応じて取り扱いが異なってくる。

 

 退職手当が外交員としての在職中、雇用契約者としての身分をもっていた人に支給されるもので、かつ退職給与規程で契約期間の成績に応じて計算されるときは退職所得。しかし、雇用契約者としての身分をもっていなかった人や、別の方法で計算されるものがあるときには賞与・報酬になる。(2016/08/20)