親の死亡で事業を廃止

従業員退職金は債務控除対象?


 火事で店が全焼し、個人事業主だった親が死亡してしまったケースで、相続人である子どもは事業基盤である店がない状態のため、事業の継承を断念したとする。

 

 そのときに被相続人が雇用していた従業員を解雇して退職金を支払った場合、この退職金は相続税の債務控除の対象になるのだろうか。

 

 被相続人の死亡で事業を廃止し、被相続人が雇用していた従業員を解雇するときに支払う退職金は、被相続人の生前に事業を営むために必要な労務の対価とみなされる。

 

 したがって、被相続人の債務として支払うものであるため、相続税の課税価格の計算上、その金額は債務控除の対象となる。(2016/08/24)