「税印」ってなに?

請求できない文書もある


 株券などの証書を見ると、「税印」と浮き彫りで表示されていることがある(写真=国税庁HPより)。

 

 これは、印紙税を印紙ではなく、現金で事前に納めたことを示すものだ。印紙税の課税文書が大量にあり、一枚一枚印紙を貼っていては手間がかかるようなときに、税印を利用すると負担を減らすことができる。

 

 税印による印紙税納付(現金納付)は、課税文書の作成に先立って行う。また、税印には納付した印紙税額は表示されない。そのため、現実に文書が作成される段階にならなければ印紙税額が確定しないような文書は、税務署に税印の押印を請求することはできない。

 

 例えば、不動産譲渡に関する契約書など、印紙税額が文書の記載金額によって異なり、その記載金額が明らかでないときだ。また、税印押印請求時点では課税物件表のいずれの号の文書に該当するか明らかでないときも税印は押されない。

 

 さらに、文書が税印を明確に押せないような紙質や形式であると税務署にみなされると、税印を受けられない。

 

 なお、税印の申請可能な税務署は全国で118カ所。専用の機器(税印押なつ機)を備えている税務署は限られているので、事前に確認してから申請したい。税印は厳重に管理されていて、税務署長が任命する「押印事務担当者」だけが税印を押すことを許可されている。(2016/07/12)