社長が会社の連帯保証人に

返済のための土地売却益は課税対象外


 社長が自社の借入金の保証人となっていて、その返済のために社長個人の土地を譲渡して債務履行に充てたものの、経営基盤安定化のために会社への求償権を放棄したのであれば、土地の売却益は譲渡所得税の対象にならない。

 

 本来の債務者が債務を弁済せず、肩代わりのために土地や建物を売った保証人や連帯保証人は、譲渡所得の計算上、「所得がなかった」とみなす特例を使える。ただし、本来の債務者が債務弁済不能の状態になってから債務保証したのなら特例の対象外となる。

 

 所得がなかったものとする額は、①肩代わりした債務のうち回収不能額、②保証債務履行者のその年の総所得金額、③売った土地建物の譲渡益――のなかで一番低い金額までとされている。これらの額は、国税当局の「保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書」で計算できる。(2017/03/31)