消費税の簡易課税制度

事業区分ごとに「みなし仕入れ率」


 消費税は売上分の消費税額から仕入れ分の消費税額を引いた額を納める。ただし、前々事業年度の課税売上高が5千万円以下の会社は、業種ごとに第1種から第6種まで区分された税率(みなし仕入れ率)に基づいて納付税額を計算する「簡易課税制度」を使うこともできる。

 

 どの事業区分になるかは、原則としてその事業者が行う譲渡の内容ごとに判断する。例えば、小売業は第2種事業であり、商品の売上に対するみなし仕入れ率はその区分で計算するが、社用車などの資産の売却に対する率は「事業に関する固定資産の売却」として第4種の区分で計算する必要がある。

 

 なお、雑貨店にカフェを併設するなど複数の事業を組み合わせたビジネスモデルでは、基本的にそれぞれの業種に応じたみなし仕入れ率を適用する。しかし、ひとつの事業の課税売上高が全体の75%以上を占めるなら、その事業のみなし仕入率を全体に適用することが可能だ。(2017/05/18)