未上場株の財産評価

会社規模で異なる計算方法


 上場株式の相続税計算上の評価は取引市場の売買価格を基に判断するが、上場していない会社が発行する「取引相場のない株式」は客観的な数値がないため、国税庁が決めた基準(財産評価基本通達)を使って評価する。

 

 未上場株の評価は、会社の事業規模ごとに計算方法が異なる。具体的には、「大会社」は業種が類似する上場会社の株価を基に算定する類似業種比準方式、「小会社」はその会社の1株あたりの純資産価格で評価する純資産価額方式、「中会社」はふたつの方式を併用する併用方式を使うことになっている。

 

 会社の規模を判定する要素は、総資産価額、取引金額、業種、従業員数の4つだ。従業員数だけでみると、5人以下なら「小会社」、5人超50人以下は「中会社」、50人超100人未満は「中会社」もしくは「大会社」、100人以上は「大会社」となる。

 

 ここでいう「従業員数」は、直前期末以前1年間会社に勤務していた、1週間の労働時間が30時間以上の「継続勤務従業員」と、「それ以外の従業員」の2つに区分し、「継続勤務従業員+(それ以外の従業員の直前期末以前1年間の労働時間の合計時間÷1800時間)」で計算する。社長や理事長などの役員は含めない。(2017/04/25)