役員給与を期中で改定

損金になるケースとは?


 役員への報酬は基本的に損金(税務上の経費)にできないが、1カ月以内の一定期間ごとに同じ金額が支給される給与(定期同額役員給与)であれば例外的に損金算入できる。事業年度内に給与額を改定すると例外規定は適用できない。

 

 ただし、法人税法基本通達に定められた「やむを得ない理由」があれば、年度内に給与改定があっても損金にできる。 「やむを得ない理由」に該当するのは、例えば社長が退任し、臨時株主総会の決議で新社長に就任した副社長の給与をアップしたときなどだ。

 

 また、会社の合併に伴って役員の職務内容が大幅に変更され、給与額を変更したときも損金にできる。さらに、会社や役員が不祥事を起こしたときに役員給与を一定期間減額改定するときも「やむを得ない理由」が起こったとして損金算入が可能だ。

 

 これらは予測しがたい偶発的な事情によるものであり、利益調整が目的ではないと税務上は判断される。(2016/11/02)