工場見学を開催

関連支出は損金になる?


 企業が開催する「工場見学会」では、ふだん見られない仕事の裏側を見学できるうえ、その工場で製造された試供品や関連グッズがもらえることがある。児童が社会科見学として参加するだけではなく、大人でも愛好者は多い。

 

 会社や商品を知ってもらうために企業が工場見学会を開催するときには、多くの費用が発生する。パンフレット代、除菌・減菌された工場であれば見学者用の防護服のメンテナンス費用、製品の試飲・試食のための費用などだ。これらは、不特定多数の人を対象に、広告宣伝を目的に支出したものであれば、「広告宣伝費」として経費処理できる。

 

 また、現地までの交通費や宿泊費を会社が負担することがある。広告宣伝を目的としていて、かつ不特定多数の消費者を対象に参加者の公募をしているのであれば、同様に広告宣伝費として計上できる。

 

 一方、医薬品の製造業者や販売業者が、病院を対象に工場見学を開催するなど、特定の者を対象にする場合は「交際費」になるので、原則的に損金にできない。同様に、化粧品業者の理美容業者向けイベントや、建築材料業者の大工・左官向けイベントの支出も交際費になる。(2016/09/04)