宗教法人のペット葬祭

収益事業で法人税課税


 野良猫を虐待したうえ殺したとして、埼玉県の税理士が今年8月、動物愛護法違反容疑で逮捕された。警視庁保安課によると少なくとも1年半の間に12匹の猫を虐待していたという。

 

 動物愛護法では、動物の生存権を尊重する視点から野良犬や野良猫を殺傷・虐待した者への懲役や罰金刑を定めている。だが、刑法上は生存権的な視点のない「器物」として処理され、また民法上は生命のある「動産」として扱われる。

 

 つまり、電車に置き忘れれば遺失物、殺傷すれば器物損壊となる。過去には宗教法人が行うペット葬祭が収益事業に当たるかどうかが争われた事件があり、最高裁は法人税を課した税務署の処分を認めた。たとえ宗教法人が行おうとも、ペット葬祭の対価にお布施などの「喜捨」的な要素はないという判断だ。また税の分野では、動物は法定耐用年数、つまり減価償却に要する期間が定められている。(2017/12/05)