同族会社の内部留保

留保金課税に注意


 同族会社に該当すると、やっかいな法人税がある。「留保金課税」だ。同族会社が許容額を超えて利益を内部留保した際に、その金額に対して追加的に課税される制度である。対象と見なされる同族会社とは、株主が3人以下で、持株割合が50%以上の会社を指す。

 

 本来、株式会社であれば利益を株主に配当しなければならないが、配当が大きくなると株主に多額の所得税が発生する。そのため、利益が出ても、あえて配当金を出さずに、内部留保することがある。こうした内部留保に対する特別課税が、留保金課税の成り立ちだ。

 

 しかし、2008年度の不適応措置廃止により、対象となる会社は、同族会社のうち1株主グループによる持株割合等が50%を超えている特定同族会社へと条件緩和された。留保金額税額の計算式は、「[所得-(配当等+法人税等)-留保金額控除]×特別税率」となる。特別税率は、課税留保金額が年3000万円以下なら10%、年3000万円超1億円以下なら15%、年1億円超なら20%となる。会社設立時であれば対策はとれる。資本金を1億円以下に抑えれば、留保金課税の対象とはならない。(2017/09/17)