収入印紙の貼付・消印漏れ

過怠税は本税の3倍に


 税務調査では、法人税だけでなく印紙税にもしっかり気を配っておきたい。印紙は、領収書や手形のほか、契約書にも貼付するため、企業にとっては頻繁に納付する身近な税だ。その分、貼付漏れなども発生しやすい。

 

 印紙税は法人税の調査時に合わせて調査されるが、指摘されやすいのは契約書だ。領収書や手形などと異なり、契約時に貼り忘れたまま放置しているケースが見受けられるためだという。印紙の貼り忘れが指摘されやすい契約書としては、覚書や仮契約書などが挙げられる。

 

 契約の変更で覚書を作成すると、金額の変更などといった重要な事項が記載されていれば印紙の貼付が必要となる。また、本契約の前の仮契約で作成する仮契約書にも印紙は必要だが、正式な契約書ではないという認識から貼付していないケースがある。さらに、契約書に記載された金額が消費税込みなのかどうかについても注意すべきだ。

 

 このほか、うっかりミスが多いのが印紙税の消印。印紙税は、印紙の貼付と消印によって納付したことになる。そのため、消印の押し忘れは納付していないものと同様に扱われる。税務調査などで印紙税を納付していないことが発覚すると、不納付分に加え、その金額の2倍、つまり、計3倍の過怠税が課される。さらに、過怠税は必要経費とはならず、法人の損金とすることができない。(2017/11/09)