公売に出される差押物品

維持管理もラクじゃない


 国税当局の「インターネット公売(オークション)」は、税金滞納者から差し押さえた財産を国税徴収法に則って売却する行政手続きの一部だ。

 

 売却代金は滞納者の未納税金の支払いに充てるものであるため、公売までの期間に価値が損なわれることのないよう、国税当局には「善管注意義務」が生じている。

 

 宝石や時計のように小さく、金庫に預けやすいものであれば、保管は比較的容易だ。しかし自動車のように大きなものだと、国税局や税務署の庁舎内の駐車場に無造作に置いておくことはできず、管理業者が常駐している駐車場を借りて保管することもあるそうだ。

 

 また、差し押えられた自動車は必ずしも国税当局が保管しているとは限らない。行政上は差し押えられていても、滞納者がそのまま使用していることもある。将来的に税金が完済されることを前提として当局が特別に使用を認めているパターンだ。

 

 このときは滞納者自身の責任のもとで管理されることになる。自動車を使用するために必要な登録費用や駐車料なども滞納者自身の負担だ。(2016/08/31)