バー・クラブの源泉徴収

タクシー代も対象に


 法人税調査で不正が発見される割合につき、「バー・クラブ」は57・1%(平成26事務年度)と全業種で最も高く、税務署がその取引実態を注視している業種のひとつとなっている。

 

 バーやキャバクラなど水商売は現金商売であり、売上操作や源泉所得税逃れをしやすいことも、国税当局が鋭い視線を送っている理由だ。

 

 クラブが働いている女性に支払う日当は、所得税をきちんと源泉徴収しなければならない。帰宅させるためのタクシー代や、営業成績に応じた報奨金についても源泉徴収をする必要がある。

 

 源泉徴収は、1回に支払われる金額から、5千円にその報酬の計算期間の日数を乗じて計算した金額を差引いた残額に、10・21%の税率を乗じて算出するとされている。

 

 例えばキャバクラで働く女性の時給を3千円として、夜7時から深夜0時までの5時間働いてもらうとすると、日給は1万5千円となる。週に6日勤務し、その報酬として9万円を支払ったとする。

 

 このときの源泉徴収額は、報酬額9万円から「5千円×6日=3万円」を差し引き、残額の6万円に10・21%を乗じた額、6126円となる。

 

 なお、不正発見割合では「バー・クラブ」よりも低い「パチンコ」(29・6%)だが、不正1件当たりの不正所得金額ではワースト。1件当たり5722万円で、次点の「電気通信機械器具卸売」の2543万円を大きく引き離している。(2016/07/27)