アパートを贈与

「負担付贈与」にご用心


 アパートを贈与すると、土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」で一般的に評価し、売買価格(時価)よりも低い価格で贈与税が計算される。だが、建設などに掛かった負債を一緒に贈与すると、不動産が時価で評価されるため、通常の贈与と比べて税金面で不利になる。

 

 債務の負担を条件に贈与することを「負担付贈与」という。不動産の負担付贈与では時価そのままで評価され、高い税率が掛けられる。アパートの所有権移転とともに、入居者の敷金の返済義務を引き継がせるのも負担付贈与だ。通常の贈与同様に相続税評価額で財産評価するには、入居者に返還すべき敷金分の現金をアパート引き継ぎと同時に贈与する必要がある。

 

 なお、アパートの贈与は、相続税の年間非課税枠である110万円を超える贈与になることがほとんどなので、贈与財産2500万円までが無税になる「相続時精算課税制度」を利用したほうが税負担が減ることは多い。(2017/02/03)