離婚で年金分割

3号分割は合意不要


 およそ3人に1人の割合で離婚する時代と言われるが、離婚件数でみると2018年は20万7000件で、ピークだった02年の29万件からは減少傾向にある。だが、婚姻件数が減少していることから、離婚率も上昇傾向にあるという数字が出ている。

 

 ちなみに離婚率の高い都道府県は沖縄、宮崎、大阪の順。そして年代別では、男性は30代前半、30代後半の順。女性は30代前半、20代後半の順で多くなっている。男女ともに年齢が上がるにつれて離婚率は下がるが、50歳以上の熟年離婚は40年間で10倍にも増えている。

 

 一定の年齢層以上の離婚では共働き層が少ないため、多くのケースで年金の分割が問題となっている。2007年に年金制度が改正されたことで年金分割制度の利用も増え、とくに婚姻期間の長い夫婦ほど利用率が高いことをデータは示している。

 

 年金の分割制度には「合意分割」と「3号分割」の2つがあり、これらは併用も可能だ。合意分割はその名のとおり、双方の合意によって最大2分の1ずつの分割が可能になるもの。また3号分割は国民年金の3号被保険者である専業主婦(夫)からの一方的な請求で強制的に半分に分割してしまうというものだ。

 

 3号分割は08年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録があり、結婚関係が解消したときから起算して2年以内に請求する必要がある。08年3月31日以前の分は3号分割ができずに合意分割の対象となる。(2019/11/18)