負債の占める割合が多い相続

「限定承認」も選択肢に


 相続財産のなかで借金などの負債が占める割合が多いときは、遺産の受け取りを放棄(相続放棄)することで、マイナスの財産を承継しなくて済む。そして、財産と借金のどちらが多いか明確ではなく、相続放棄すべきかどうか迷うようなときは、「限定承認」という選択肢もある。

 

 限定承認は、相続で受け取った財産を限度に債務を負えばよいので、相続人がもともと持っていた資産で借金を返済する必要はない。ただし、限定承認は相続人全員が共同でしなければならず、一人でも反対する人がいれば、それぞれが相続放棄するか債務を承継するしかなくなる。

 

 相続放棄や限定承認をするには、自分が相続人になったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所に届け出る。相続人に未成年者や成年被後見人がいるのであれば、法定代理人が代わりに手続きをする。(2017/01/10)