消費税の会計処理

税抜、税込の違いとは


 消費税を処理する会計方法は、「税抜処理」と「税込処理」の2種類。じつは、それぞれにメリット・デメリットがある。

 

 税抜処理は、消費税額を除いて売り上げや仕入れなどを計上する方法だ。売上では、消費税を相手からの預かり金と考え「仮受消費税」として処理し、仕入れは「仮払消費税」という勘定項目で処理する。この方法だと、消費税が費用や収入としてまったく発生せず、損益に無関係となる。

 

 消費税は一種の通過勘定とみなされる。会計処理は少し煩瑣になるが、交際費や少額減価償却資産などは消費税が除かれるので、限度額を目いっぱい使える。また棚卸資産を評価する際にも、取得価格に消費税が含まれないので有利になる。

 

 税込処理は、売上や仕入れ、経費などの価格に消費税を乗せて計上する方法。消費税額は会社の経費として損金になり、租税公課として計上しなければならない。計算の仕方は簡単だが、交際費や少額減価償却資産、棚卸資産の評価などでは、消費税額が加算されるために不利になる。(2017/07/26)