決算月の変更は検討の価値あり?

翌期に利益を持ち越し


 決算のタイミングと繁忙期が重なって節税策に手が回らなくなり、決算期を変更したいと考える経営者も少なくない。決算期を変更することで節税につながることもある。

 

 例えば、ある年の決算月に予想外の利益が出ることが事前に分かったとする。その会社が決算期を1カ月早めれば、元々の決算月に発生する利益を来期に持ち越すことができ、次の1年を掛けて節税対策をじっくり練ることが可能となる。

 

 ただし決算期を変更すると減価償却や法人税の軽減税率の計算に関する調整に手間が掛かる。また期の途中で変更すると事業年度は当然短くなるため、他の事業年度との業績比較が困難となる。納税期限も前倒しとなり、資金繰りに悪影響が出ることにも注意を払わなければならない。

 

 決算期は安易に変更するものではないが、会社の状況に応じて検討する価値はある。変更する場合、株主総会の特別決議を経て定款の変更を行い、議事録のコピーなど必要書類を税務署や都道府県税事務所へ提出することになる。(2019/10/25)